知的障害の利用者さんの入院当日、現場で起きた「想定外」3つ【施設看護師の体験記】

現場の看護記録

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「入院準備、ちゃんとやったはずなのに当日バタついた…」

障害者福祉施設で利用者さんの入院に付き添う看護師なら、誰しも一度は経験することじゃないでしょうか。準備すべきことは事前に整理していても、当日になってから出てくる「想定外」は意外と多いんですよね。

この記事では、知的障害のある利用者さんの入院に実際に付き添った私が、当日の流れと、現場で起きた「想定外」3つを、現場のリアルそのままでお届けします。

当日朝のチェックは最小限でいい

入院当日の朝、私が施設でやったことは最小限のチェックだけでした。

具体的にやったのは2つ。マイナンバーカードの受け取り着替えの確認です。

📋 当日朝にやった2つのこと

マイナンバーカードの受け取り

着替えの確認

これだけで済んだ理由は、前日までに担当の支援員が荷物を準備してくれていたから。日頃の利用者さんの様子をよく知っている支援員に任せる方が、必要なものを的確に揃えられるんですよね。

💡考察
看護師が全部やろうとすると、当日の朝にバタつきます。「日常の世話は支援員、医療的な物は看護師」と役割分担しておくと、お互いの強みを活かせます。

想定外その1:お箸が抜けていた

入院当日、最初の「想定外」はお箸の準備が抜けていたこと。

実は、病院から事前に渡されていた持ち物案内には「お箸を持ってきてください」と書いてあったんです。でも、準備の段階で見落としてしまっていました。

結局、病院の売店で割り箸を購入

病院に到着して気付いたので、院内の売店で割り箸を購入して対応しました。事なきを得たけれど、ちょっとした準備不足です。

今回の経験から思うのは、お箸は使い捨てでOKということ。わざわざ家庭用のお箸を持参して紛失リスクを抱えるより、コンビニや100均で買える割り箸を持っていく方が現実的です。

💡考察
病院の持ち物案内に書いてあっても、見慣れた「入院持ち物リスト」の感覚で見ると見落としやすいのが「日用品系」。お箸・スリッパ・コップ・ティッシュなど、家にあるのが当たり前すぎて準備のチェックリストから抜けがちです。

出発から病院到着まで

荷物の最終チェックが終わったら、いよいよ出発です。流れはこんな感じでした。

🚗 出発の流れ

施設を出発(だいたい予定通り)

ご家族(お母様)を迎えに行く

病院へ向かう

車中での会話も「準備」になる

車中では、お母様と付き添いについての確認をしていました。「明日の手術日は何時に迎えに行くか」「どの時間帯にお母様が病院にいられるか」など、移動中の時間を活用して打ち合わせ。

合間には気温の話で世間話もしました。「もう夏みたいな天気ですね」なんて他愛のない会話ですが、これがお母様の緊張をほぐすひと時になっていたと思います。業務連絡だけじゃなく、人としての対話を入れるのは大事だなと改めて感じました。

病院でやることリスト

病院に到着してから、私とお母様で進めたのは以下の5つです。

手続き 内容
入院受付 マイナンバーカードで受付・書類の最終確認
病衣レンタル手続き 入院中の病衣を借りるための申し込み
眼科外来への付き添い 入院前に必要な眼科の診察
病棟への付き添い・荷解き 病室への案内と持ち物の整理
翌日の手術予定確認 手術当日の時間・流れの最終確認

入院受付から始まって、書類関係→病衣の手続き→外来→病棟と、院内を何度も移動するのが入院当日の特徴です。利用者さんを連れて移動することになるので、急がず焦らず進めるのがコツ。

想定外その2:大部屋→個室への変更

2つ目の「想定外」は、病室が大部屋から個室に変更になったこと。

もともとは大部屋を希望していました。でも、知的障害のある方には病院側から付き添いが必須とされ、大部屋では付き添いができないとのこと。結果として、個室への移動が決まりました。

差額ベッド代が発生

個室になると差額ベッド代が発生します。ご家族の経済的負担が増えるので、ここは事前に把握しておきたい情報でした。

付き添いはご家族(お母様)が担当することに。施設からの付き添いではなく、ご家族が病室に常駐する形での対応です。

連絡タイミングへの違和感

この個室変更の連絡が来たのは、入院前の金曜日の午後。週末を挟んで月曜日が入院日というタイミングでした。

正直、もう少し早めに連絡が欲しかったというのが本音です。差額ベッド代の発生をご家族に説明する時間も必要だし、心構えの面でも余裕を持ちたい。週末を挟むタイミングだとさらに調整しにくくなります。

💡考察
「知的障害のある方の入院では、大部屋希望でも個室になる可能性がある」というのは、事前に想定しておくべき情報かもしれません。入院決定時点で病院に確認しておけば、ご家族への説明もスムーズになります。

想定外その3:精神科受診の要請

3つ目の「想定外」は、入院前に精神科の受診を求められたこと。

経緯はこうです。主治医から施設宛に手紙が送られていたらしいのですが、その手紙が施設に届いていなかった。内容としては「知的障害のある方を入院させるにあたって、精神科で入院可否の診察を受けてほしい」というものだったそうです。

事前説明がなかった点が釈然としない

この件で釈然としないポイントは2つあります。

⚠️ 釈然としないポイント

手紙が施設に届いていなかった(連絡経路の不備)

以前の手術説明時にも案内がなかった(事前説明の不足)

法的な根拠を調べてみた

「何を根拠にこの手続きが必要なのか」がモヤモヤしたので、私なりに調べてみました。

分かったのは、「知的障害者の一般病院への入院に、精神科受診が法的に必須」という規定は存在しないということ。医療法施行規則上、知的障害は「精神障害」に分類されますが、それでも「精神科受診を経てから一般病棟に入院」という法律の規定はありません。

つまり、今回の精神科受診要請は病院側の運用ルールとして設けられている可能性が高いということ。手術や入院中のリスク評価のために、安全策として実施しているのかもしれません。

💡考察
運用ルール自体は、病院側の安全配慮として理解できます。ただ、事前に施設や家族に説明があるべきというのが現場の本音。同じ立場の施設看護師の方は、入院前の段階で「知的障害のある方の入院で、追加の手続きはあるか」を病院に確認しておくと、こうした想定外を避けられます。

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まとめ:準備しても「想定外」は起きる、だから備える

知的障害のある利用者さんの入院当日は、どれだけ準備しても「想定外」は起きるもの。だからこそ、起きた時に慌てない備えが大事だと改めて感じました。

今回のポイント

✓ 当日朝のチェックは最小限、前日までの準備で勝負

✓ 日用品(お箸など)は見落としがちなので注意

✓ 病院では受付→外来→病棟と複数の移動がある

✓ 大部屋希望でも個室になる可能性がある(差額ベッド代発生)

✓ 精神科受診要請は病院の運用ルールの可能性

✓ 事前確認で防げる想定外も多い

次回の記事では、入院中の連絡対応や、退院に向けた動きを書く予定です。手術後の利用者さんの様子、病院との連絡頻度、退院判断の流れなど、当日とはまた違う「想定外」がありそうです。

「うちの施設でもこんなことがあった」「もっとこういう備えしてる」という情報があれば、ぜひXで教えてください。同じ立場の看護師同士でつながって、現場をよくしていけたら嬉しいです。

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