褥瘡予防の体位変換を現場に定着させるには|施設看護師からサビ管への提案実例

現場の看護記録
褥瘡(じょくそう)予防の体位変換が必要——そう判断しても、施設では看護師が24時間そばにいられるわけではありません。現場の支援員さんに動いてもらう仕組みをどう作るか。ここが施設看護師の腕の見せどころです。

障害者支援施設で働く現場3年目の准看護師です。褥瘡リスクのある利用者さんの体位管理について、サビ管(サービス管理責任者)に提案し、全面的に同意をもらうことができました。言葉だけでは伝わりにくい相手に、どう整理して持っていったか。

この記事では、実際の提案の中身と、そこから見えた「現場に通る提案の型」を書きます。同じように「提案していいのか迷っている」施設看護師さんの背中を押せたら嬉しいです。

提案①:新しい業務を増やさず「今ある訪室タイミング」に乗せる

まず考えたのは、新しい業務を増やすのではなく、今すでに支援員さんが居室に入るタイミングに体位確認を乗っける形です。把握できていた訪室タイミングはこのくらいでした。

🕐 毎日:おやつの声かけ時
🕐 毎日:足爪治療薬の塗布時
🕐 月水金:入浴促しの訪室時

全部午後に集中しています。午前中はどうかというと、この利用者さんは歩行訓練に参加することがあります。参加できている日は離床できているので、それ自体が体位変換の効果を持ちます。ただ参加率が不安定なので、参加できない日の午後に確認が集中する形になります。その点もサビ管に伝えました。

提案②:把握できていない部分は、正直に「任せる」

土日は基本的に看護師は不在です。歩行訓練もありません。同じ姿勢が長時間続くリスクが最も高い日です。

食事やおやつの促しで訪室するタイミングがあるはずですが、具体的にいつ誰が入っているかは現場の支援員さんにしかわかりません。そこは「サビ管から現場に確認してほしい」という形で投げました。自分が把握していないことを正直に伝えたうえで、動いてもらう部分を明確にする。それだけでサビ管は動きやすくなります。

提案③:歩行訓練への参加促進も「褥瘡予防」として位置づける

体位変換は「横向きにする」だけが方法ではありません。離床して動くこと自体が圧迫を解除する効果を持ちます。歩行訓練への参加率が不安定なのは把握していましたが、参加できる日は積極的に促してほしいと提案しました。「褥瘡予防」という医療的な理由があれば、支援員さんも声をかけやすくなるからです。

提案④:ホワイトボードと記録シートで「見える化」する

言葉で伝えるだけでは定着しません。ラウンジのホワイトボードに確認タイミングを書き、A4の記録シートを居室に掲示する形にしました。記録シートには日付・時間帯・確認者・体位変換の有無を記入する欄を設けます。記録が残れば、誰がいつ動いたかが見えるようになります。

結果:全面同意。サビ管が待っていたのは「根拠のある提案」だった

正直、どこまで伝わるか不安でした。でも話してみると、全面的に同意を得られました。

サビ管が求めていたのは、看護師側から「正解」を示してもらうことだったと思います。何をどうすればいいかの根拠を、看護師が出す。それができれば、サビ管は現場を動かせます。提案することをためらっていた時期がありましたが、動いてみると、むしろそれを待っていた人がいました。

💡 現場に通る提案の型(今回の整理)
① 新しい負担を増やさず、今ある業務に乗せる
② 自分が把握できていない部分は正直に開示して任せる
③ 医療的な根拠を添える(動く理由を渡す)
④ 見える化(掲示・記録)で定着させる

提案はゴールではなくスタート——定着チェックの視点

全面同意をもらえたとはいえ、提案はゴールではなくスタートだと思っています。1〜2週間後に記録シートを見返して、確認が実際に回っているか、空欄が続く曜日・時間帯はないかをチェックし、現場と再調整するつもりです。仕組みは一度で完成しません。「作る→回す→直す」を回してこそ定着する——それも含めて看護師の仕事だと考えています。

📝 まとめポイント

✅ 体位変換の定着は「新しい業務」ではなく「今ある訪室に乗せる」形で提案する
✅ 看護師不在の土日こそ最大のリスク。現場にしかわからない部分は任せ方を明確に
✅ 離床・歩行訓練も褥瘡予防。医療的な理由づけが支援員の動きやすさになる
✅ ホワイトボード+記録シートの見える化で「言いっぱなし」を防ぐ
✅ サビ管が待っているのは根拠のある提案。ためらわず出してみる価値がある

※ 本記事は障害者支援施設で働く現場看護師の一次情報・体験に基づく内容です。事例は特定を避けるため一部抽象化しています。医療的な判断や処置については、必ず医師・専門家にご相談ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました