午前——耳鼻科まで片道50分
午前中はまず、鼻炎の利用者さんの耳鼻科受診に引率しました。施設から片道約50分かかります。車で往復するだけで1時間40分。診察の待ち時間を含めると、午前中はほぼこれで終わります。
専門の病院というのはたいていこうで、近くにあるわけではありません。利用者さんの状態に合った医療機関を選ぶと、距離は必然的に伸びていきます。1件の通院が半日仕事になるのは、施設看護師にとって当たり前の感覚です。
同じ日に、別の利用者も耳鼻科が必要だった
その日、もう一人の利用者さんも耳鼻科の受診が必要な状態でした。ただ、その方は午前中に別の通院の予定が入っていました。てんかんの既往があり、かかりつけの精神科病院で年に一度、脳波検査と採血検査を受けることになっています。その日がちょうど重なっていたのです。
別々に耳鼻科の予約を取るより、精神科病院からの帰り道に耳鼻科に寄ってもらえないか——そう考えて、同行スタッフと連絡を取りながら段取りを組むことにしました。
私が耳鼻科にいる間に院内の混雑を確認すると、その時間帯は患者が少ない状況でした。間に合う、と判断して受付に事情を説明しました。診察券や保険証は持参できていないこと、別の外出先から直接来ること——その旨を伝えて、名前だけ先に受け付けてもらうよう調整しました。
結果として、もう一人の利用者さんも無事に受診できました。2人分の耳鼻科受診を、1つの外出の流れの中にまとめることができたことになります。ただ、こうした調整は毎回うまくいくわけではありません。タイミングが少しずれていれば、また別の日に予約を取り直すことになっていました。
昼を挟んで、午後も通院
午前の対応が一段落して施設に戻る頃には昼前になっていました。午後には15時30分から歯科の予約が入っていました。4月に施設の歯科検診を実施していて、その後の治療通院とは別に、今回は歯の定期的な手入れのための受診です。
ところが午後になって、入所利用者の一人に皮膚トラブルが起きました。状態を見て、早めに皮膚科を受診させる必要があると判断しました。急な通院です。
私は歯科の引率が決まっていたので、皮膚科は別のスタッフに対応をお願いすることになりました。誰が行けるか、時間はどうか——短時間で役割を決めて、それぞれ出発しました。
歯科で、また新しい問題が出てきた
歯科での処置は比較的早く終わりました。ところが診察の結果、新たに虫歯が見つかりました。
4月の検診を受けてから、それほど時間が経っていません。それでも虫歯が出てくる。施設での口腔ケアの限界と、専門的なチェックの必要性を改めて感じる場面でした。次の治療予約を取り直して、また通院のスケジュールに加わることになります。
この仕事の大半は「調整」でできている
この日の動きを振り返ると、実際に医療行為をしていた時間はほとんどありません。やっていたのは、受診の順序を考えること、スタッフと連絡を取ること、受付に事情を説明すること、役割を割り振ること——そういった調整の積み重ねでした。
施設看護師の仕事は、医療の知識を使う場面より、医療をつなぐための段取りに時間がかかることの方が多いかもしれません。それが見えにくい部分でもあります。
・午前は耳鼻科(片道50分)の引率。同日に別の利用者も耳鼻科が必要で、12時30分の受付に合わせてリアルタイムで調整した
・午後は皮膚科の急な対応と歯科引率が重なり、スタッフで役割を分担した
・歯科では新たに虫歯が見つかり、また通院予定が増えた
・施設看護師の通院業務の大半は「調整」でできている。それが積み重なって1日が終わる
※本記事は個人の現場経験をもとにした情報です。医療的な判断や処置については、必ず専門家にご相談ください。



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